執筆原稿に大きな進展があった。
偶然から、新たな理論展開が可能な切り口を発見できたのだ。
一昨日の慶應の伊東教授の講演での区分からすれば、これは
「ひらめき型の問題解決」で「着実型の問題解決」と対をなすものである。
ひらめいた切り口は、
実務上難解で、10月8日の日経新聞でも取り上げられもした
非公開会社(つまり普通の中小企業)の株式の「時価」の問題だ。
中小企業の株式は、「取引相場の無い株式」であるからこそ、
相続などで評価する際には、無理矢理にも「時価」を求めないと課税できない。
そこで、この株式は、通常、「同族関係者」などが取得する際に適用される「原則的評価額」と
全くの「第三者」が取得する場合に適用される「特例的評価額」とに区別して評価する。
殆どの場合で、前者は高い値段となり、後者はそれに比べ、数倍~数十倍安い値段となる。
これらは、「相続」の場合の評価なのだが、「相続」ではなく、生きている間の「譲渡」では
どちらの価額が適用されるかで税務上では、天と地ほどの税額が変わるから大変なのだ。
しかし、法令のどこにも、その「時価」は幾らかは明記されていない。
そこで、中央経済社から、その辺りについて原稿を依頼されているのだが、
熟考すること数ヶ月を経て、つまり、「着実型問題解決」で取り組んで
思考が熟してきたのだろう、数週間の間に数度に亘り、変更を加えて、本日、とうとう・・・
その論理的な新展開を見出したのだ。
専門的になり過ぎるし、まだ秘密なので、ここでは述べないが
その問題解決の型に関して言えば・・・
つまりは、「ひらめき型問題解決」であっても、純粋にそれだけではなく
多くの場合に「着実型」のそれがあって、常に考え続けることで
ひょんな偶然から、アルキメデスの原理のように、溢れた風呂のお湯から気が付くように・・・
りんごが落ちるの見て万有引力を発見したニュートンのように「ひらめき」が起こるのだ。
『暴走老人!』の作者が深夜のTV番組で言っていた名言に頷いたことに通じる。
「検索する」ことが「考える」ことと混同されつつある今日、ぼおっと考えることは重要である。
「考える」は集めた知識を加工し、頭の中などで、意識的無意識的を問わず、
試行錯誤している状態だ。
次のアイデアも浮かんだ。「判例のフローチャート」と仮命名しておいた。今度は逆で・・・
ここまでは「ひらめき」だ。次は、それに基づいて、「着実」に実行して行かねばならない。
つまり、判例を読み込み、関係を図形に落とし込むことである。