本日、優良顧客様が「卒業」された。
私達の手から離れたという意味では、いわゆる「解約」なのだが、企業にとっては成長である。
その「成長」をお手伝いできたことを「誇り」に思わねばならない。「上場」されるのである。
おめでたいことであると思わねばならない。
しかし、優良顧客様の報酬は大きいから我が社の経営には少なからず影響があることもこれまた事実である。
一昔前であれば、情実で関与契約を続けることが出来たし、許された。
しかし、現在の上場企業は株主からの追及が強くて、関与する必然性がなければ取締役の責任を追及される。社長は、苦渋の決断を下されたことだろう。
一方、これに対応する経営上の対処は既に、十年前から打ってきた。
こうなることは、当時は「少し」予想されていたリスクであった。
だからこそ、対処してきたからこそ、ダメージは最低限に抑えることができた。
もちろん、上場企業の関与について対応できるだけの研修を積んでいる自負はあるので、そのまま関与を続ける自信はある。しかしお客様がそれに対して「不安」に思うという「主観」を覆すことはできなかった。
「現状」ではなく、「将来」への不安に、お客様の「主観」が傾くと・・・
実績のない私の「事実」は負けてしまうのだ。
それは、仕方のないことだ。お客様の選択である。
それは、町医者の限界でもある。言葉は悪いが、がん患者ががん専門医に代わることである。
がん専門医には手術の実績が豊富にある。
こちらは座学で研修を受けているものの手術の実績はない・・・その時、命を懸ける患者はどちらの医師を選択するだろうか・・・火を見るより明らかである。
だからこそ、十年の歳月を掛けて準備してきたのである。それが実を結んだ瞬間であった。
今日は、中央経済社からの出版の発売日でもあった・・・・「到達」と「卒業」が同時にやってきた日となった。
午後から、経営計画のお客様とランチをしながら打ち合わせし、その足で名大のゼミに参加。
さらに、社員と待ち合わせで、名鉄津島線に乗って夕刻に訪問し、岐路は社員の車で堤防を走る。
あるお客様夫妻の別居の話を聞き、事業の成功と夫婦の幸福の間にあるものを考えざるをえなかった。
深夜1時過ぎに、伊達公子の「情熱大陸」を鑑賞する。
彼女の言葉、「自分が楽しければそれでいいじゃない」それは、午前の「卒業」されたお客様に対する気持ちに通じていた。
言葉が通じると人格が察しうることを、伊達さんの夫、クルスさんの言葉を聞いていて思った。
学ぶことが多い。まったく異なる世界なのに通じることが多い。