目覚めると、昨日から知覚した「歯圧痕」を、今日は明確に自覚した。大きな原稿の締め切りによるストレスが高まると必ずと言っていいほどに出る。
前回は2月中旬から月末に出た。その時、2つの大きな改訂版原稿と自社決算に追われていた。
7時15分起床後、朝食に向かう。昨日に続いて、ミニトーストを試すが、焼きたてなのに美味しくはない。新聞チェックでは『私の履歴書』は7月から加山雄三氏を読んでいるが、エレキギターや録音機とその多重録音の活用は、「新し物好き」がパイオニアを作るプロセスを検証できた。私もその時期の記憶があるし、多少はその周辺に居たこともあるので、経営に置き換えて考えていた。
朝ドラでも、教訓を感じた。上記パイオニアによる攻めの部分ではあるが、守りとのバランスも欠かせない。
ブログを書きつつ、マイケル追悼番組で「ビート・イット」の長めの放送を見れて見とれていた。
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10時半にようやく原稿に向かう。今日も最初に新規原稿から入る。これに半時掛けて、これまでの執筆を修正加筆し、先端部分に追加執筆をした。
11時に大学レジュメに戻る。遺言書の文例作成である。11時半までに最後の仕上げをして、大学に送信する。
すると、受信に「相談」が持ち込まれた。この返信を書くのに数時間要することになる。「相談」と言っても有料ではない、“それ以前の”話なのである。つまり、先日の講演の録画を見たいとの欠席からの、主催者への問い合わせで、その主催者からの相談であった。
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そもそも、講演を撮影することからして、事前の了解の無い中であるから、当然お断りしなければならないが、たとえ、録画の了解があったにせよ、お断りしなければならない性質のものであることを、縷々説明しなければならないのは大変な手間である。
著作権と著作隣接権への理解は映画やコンサートに関しては高くなってはいるものの、まだまだである。だから、権利者側がへりくだるように、理解を求めないと、「何故だ!」と怒らせてしまう危険すらある。おかしなものだ。
昼食を挟んで2時間余り、長文のお断りと釈明のメールを書く。しかし、このような微妙なメールは、時間を置いて読み直してみなければ、客観的に読めないので、下書きに保存する。結果的には、明日の夜明けまで掛けて、数度の見直しの都度、下書きに保存し、この執筆に追われる中、数時間掛けることになる。
この詳細は、長くなるので本日の最終部分に書くことにする。
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2時20分ぎりぎりまで書いていたので、出発が遅れた。ゆりかもめの国際展示場正門駅から茅場町までは面倒である。方向感覚がおかしくて一駅を反対に向けて乗ってしまって、フジテレビのビルが見えてきて気付き、次の駅で降りて反対向きに乗る。
豊洲方面に向かうのは、初めてか2回目なので、土地勘を作るために先頭に乗って景色を眺める。有楽町線で一駅の月島で乗り換え、大江戸線で一駅の門前仲町で、東西線に乗り換え、また一駅でやっと茅場町である。
当初予定の40分より10分余分にかかったため、ディーブレイン証券の会場には10分遅れで到着した。ここは4月に講演をした会社である。
今回の受講テーマは「会社分割の法務と税務」で、前半の法務は基礎的であったし、ほとんど収穫となることは無かったので、遅れても問題がなかった。
後半の税務は、復習になったし、難解な部分のまとめ方や説明の仕方がとても勉強になった。内職で大学とのメールのやり取りをしたりして、5時に終了する。
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ここからは、いつものルートで、イクスピアリシアターに向かう。舞浜駅のコンビニで、無性に食べたくなったパン系の夕食として、ミンチカツドッグとアンドーナッツを買って、劇場のロビーで食する。
開演までの間にブログを書き、6時10分から2時間『エヴァンゲリオン 新劇場版:破』を鑑賞する。このシリーズは難解で有名だが、十分楽しめたし、レベルの高さを再確認して、鑑賞後にプログラムを購入した。
当初の予定では、「天使と悪魔」も9時から鑑賞しようかと思ったが、疲れたし、劇場の表示板に表示がなかったので、自分の思い違いと諦めてしまう。
岐路は、新木場から、りんかい線で国際展示場駅へ向かう。東京テレポートが終点という列車があることを初めて知る。コンビニで買い物して、夜景を楽しみつつ、歩く・・・・。
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ホテルの向えにあるウエディング・ヴィレッジに灯りが燈っていた。
昨日の夕方は無人の街のようだったし、門も閉じられていたので、結婚式のあるときしか開かないのかな・・・と思っていた。灯りがあるということは、披露宴が開かれたのだろうか?少なくとも外から除く事ができるな・・・と思って近づくと、門が開いている・・・しかし人っ子一人居ない・・・明るいゴーストタウンである。
思わず、『千と千尋の神隠し』の、あの街を想像してしまった。「通り抜けぐらいは出来るだろう・・・」と、そう言えば、千尋のお父さんも、そんな軽い気持ちで、街に迷い込み・・・豚に変身させられてしまったのだ・・・ゾクっ!
そっと足を進めると・・・歩いてゆくと、店員が勝手口から仕事が終わった・・・という雰囲気で・・・しかし黒と白の井出達で、どこか別世界の女店員が3人。ホテルに続く小道の先は鉄柵扉が閉じていた。Uターンして、別の道に向かう。店は花婿用の白の燕尾服の店、やや行くと花嫁のドレス・・・ウエディングケーキの店・・・しかしどこも、もうクローズの札が掛かっていた。
さらに進むと正面玄関の電飾が点いたゲート。ここは空いていた。私は裏口から入ってきたことに気が付く。
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抜けて、ホテルに繋がる会員制ホテルのツインタワーを見上げてみると、35階ほどの2つのビルに灯りは数部屋しか点いていない。
9時過ぎに部屋に戻りニュースを見つつ、メールチェックすれば、地元事業承継センターの懇親会の案内が届いていた。しかしその時間は研究会の発表担当の日である。
入浴し、また「相談」に応じるメールを検討する。途中から疲れて、ワインを飲んで過ごし0時ごろには寝ただろうか?
これから先は長いので読んでもらう必要はない。私の備忘記録である。
さて、先の相談内容の詳細はこうだった。
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ある会の会員の大阪の先生からの問い合わせで、拙著も既に購入されて、研修会を楽しみにしていらっしゃたようだが、どうにも都合がつかずご欠席された先生から、講演会の主催者に対しての相談だった。
講演した折の、DVDをどうしても観たいというご要望を頂いたとのことだ。
講演直後からDVDは、他には公開しないようお願いしていたため、送付できない旨を伝えたところ、出張で東京へいらっしゃった際に、ホテルで観る等して、コピーは絶対にしないから、と切実なお願いを頂いてしまいました。とのことである。
要望にお答えしたい気持ちはあるものの、私に伺うべきと判断し、相談になった次第だった。つまり、事前に駄目だといっておいたことに対して、要望があったからと、相談があったのである・・・・。
これでは、何のために事前に言っておいたのか判らないということになるのだが、「駄目だ」と簡単にいうこともできるが、時間を割いて説明することになる。
**********************************以下、私の返信を、問題のない程度に引用する。
**様、ご相談頂きました件、ご要望にお答えすることが出来ないことを、申し上げなければならず、御免なさい。
以下、理由を書かねばならないのですが、どうしても、事柄の性質上、言葉が厳しくなってしましますことお許し下さい。
このような場合が少なからずあるため、私なりの統一ルールを持っておりますが(著作権および、著作隣接権は親告罪だからですし、一定のルールを作っておかないと不公平になってしまうからです。)
それに照らし合わせするまでもなく、申し訳ありませんが、ご要望にお応えできかねる次第です。
まず、そのルール“以前のこと”として、次の講演機会がありますため、基本的にはそちらに参加いただくことにしております。これは、著述と講演を“仕事”としている上は、当然のことでございます。
ホテルで再生して一人で見ようが、再生がされれば、次の講演参加が減ることことを通じて、”仕事”がなくなる・・・こんな当然のことまで説明せざるを得ない実態なのでございます。
個人の都合で参加できないことは、いくらでもあります。それは、その選択をした方の都合でしかありませんので再びの機会があれば、その講演や公演にゆくのはコンサートや映画でも当然のことですからです。
したがって、次の機会がたとえなくとも同じことでございます。それが希少価値になったり、それゆえのブラントを構築するのがビジネスなのです。
また、当日参加者名簿を要望しましたことにも関係します。参加者によっては話せないこともあります。
それが、DVDでは、話したくない方にも伝わっては困るのです。今回の講演では、最終追加メンバーが判らないため肝心なエピソードを相当ぼやかしてしかお話できなかったりしたものでした。
裁判の実態と税務の関係などオフレコの話であったり今回の事例として取り上げる案件では、********などの利害関係者が直接存在したからです。
通常は、「これで終わり」のお話です。しかし、***(主催者)さんには講演依頼を受け、お世話になったことから内実としての、個人的ルールもお伝えしてご理解を得なければと、時間を掛けて、お伝えする次第です。
(中略)
したがって(その先生には)以下のような返信をして頂ければ幸いです。
「講演内容のDVD商品化の企画など進行中で、共著者を含めた著作権と製作会社の版権等の著作隣接権の関係から再生することを禁じられています。
また、当日の講演は自分としては不出来でございましたので、その醜態を、新たにお見せしたくはないのです。
そこで、まったく同じ内容の講演とはなりませんが、時間は6~7時間のバージョンとなる以下の講演が予定されていますので、恐縮ですが、そちらへのご参加をご検討下さるようご案内申し上げます。
次回講演は、8月21日(金)6時間講演を金融財務研究会で開催します。
http://www.kinyu.co.jp/minfo.html
その次は、9月4日(金)に7時間講演を東京アプレイザルで開催します。
http://houmu-seminar.com/index.html こちらは、まだHP上にアップされていません。
また、9月18日(金)は**税理士会認定研修となる予定(他会の参加可)を7時間で金融財務研究会で開催予定ですが、これもまだアップされていません。」
さて、個人的にルールの最初のチェックは、販売見込みのある内容については、当該企画の進行中は録画等をお見せしないことにして、企画者と版元並びに共著者を含めた権利を保護しておくことです。
これについては、御社で開催された*月*日の講演会に小生が参加して、途中で個人的な用事で中座せざるを得なくなり、H先生の講演を聴けなくなった折に、事務局の方に小生からやはり、「見せて欲しい」とお願いしましたが、「DVDで発売するので、それで・・・・」とお断りになったことと同じことでございます。
それでも、お見せする場合は、極めて個人的な場合です。当然、どこの誰かが、明らかになっていて、その方との、日頃のお付き合いの中で製作と執筆や実務の上でお世話になっている方と、大恩ある方などで、「貸し借り」が認識できる場合です。
これも御社との関係では、先日の*月*日のN先生のレジュメについてN先生から「これは貸しだからね・・・」と言われて許可を頂き、御社より資料をお送り頂いた場合に相当します。
ですから、N先生には5月14日につかんだ最新情報を、当日上京した折に、早速お伝えしたりして「お返し」したりしました。
今回のご相談は、誰かも判りませんし、その結果、当然製作と執筆等の中でギブアンドテイクを認識できません。以上の条件のいずれにも該当しないため、ご希望に沿うことができない訳です。
まして、先回の講演は自分としても様々な制約の中で、アクシデントがあった中、お話して、不出来なできばえでありましたので、たとえ個人的にお付き合いのある方にも、お見せしたくない醜態でございましたから、その肖像を見せたくないこともあります。
また、今回のご相談の方が、拙著を買われた方とのことがありましたので、老婆心ながら付け加えさせていただきますが、最近「読者」の方からの質問のFAXや手紙などがよく来るのですが、ほとんどご返事を差し上げることができておりません。
いわゆるファンレターであれば、同じ文面を書いての返信も可能ですが、「質問」や「問い合わせ」は、それぞれ回答が異なるため、返信を書くだけで、原稿を1本書くほどのことになってしまいます。それだけで1時間~数時間の作業になってしまうのです。
その折、報酬支払いを述べられてのご相談を述べられる方は異常に少ないので、無料でお答えを要望されているようなニュアンスの方々には、定型文章をお送りして講演会に参加していただいた折の休憩時間にお答えしていますと対応をしております。
時折、丁寧なのですが、常識のない要望が寄せられて驚くこともございます。例えば「このページの件について判りませんので、設例をもって、図解をしていただき判りやすくお教え下さい」などがそれで、まさに原稿を無料で書いて下さいと言っていることすら当人は判っていないようなのです。
まるで「読者」であれば、何でも通ると思っているかのようなのでございます。
以上、「駄目です」と書けばそれでも済むのですが、著作権及び著作隣接権についてまだまだ理解の不足するため(本当は肖像権問題まで含みますから、撮影自体にも事前の了解が必要なことは、先回お話した通りです。)
時間をかけて説明させて頂きましたこと、加害者と言う名の「被害者」を出さないためにも、どうぞご理解を頂ければ幸いに存じます。
**様も間に挟まれてお苦しい立場にあると思われます。そのまま伝えれば角が立つ・・・・だからこうして、昨日から3時間余りも掛けて、早朝までかけても書かざるを得ない。
しかし、何故、こちらがそれほどに、へりくだって言わねばならないのか・・・いつも辛い思いをしております。
それは、「お客様」であり「読者」であるからです。しかし、権利を守らねば、労力を惜しんで次に作品にだれも精力を使わなくなってしまいます。
音楽・映画の海賊版の問題と同じながら、日の当たらない分野で「法律家」の端くれである専門家すら、著作権侵害を平気で行うのですから・・・