前日自己最多の9時間講演を終えてヘトヘトになった翌日だが、7時45分起床、朝ドラ見つつ、「70倍みそ汁」を飲んで朝食代わりとする。9時9分の新横浜発に乗るためにチェックアウトして、駅ビルで土産を買う。次男の合格祈願に役立つ中華街の菓子の盛り合わせなどを買う。
起床後から続けていた、午後の講演内容の確認を電車内で続ける。10時半過ぎに名古屋着なので、一旦事務所に戻る旨、妻にメールする。しかし・・・
「雪積もっているヨ」との絵文字入り返信が届く。新横浜駅では小春日和で日差しが強いくらいだったが、そう言えば駅のアナウンスは岐阜羽島京都間の降雪で京都着が30分遅れになると言っていた。
はたして、浜松過ぎから減速が始まった。先行列車との数珠繋ぎだろう。これで少し遅れ、在来線の乗り継ぎが次の電車になることや、駅前に駐車してある車の除雪時間などを考慮すると、さして一旦戻る価値はどれ程もないと踏む。
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改めて妻に、講演会場の大垣まで直行する旨をメールし、講演内容の確認を続ける。しかし確認は十分でなかった。これは反省である。もっとも、この朝の数時間で解決出来る問題ではなかったのだが・・・
正午前に大垣に到着し、駅のドトールでトーストを共に食し昼食代わりとして、駅北側に初めて出てみるとタクシー乗り場は無かった。
数ヶ月前に出来た、北側にあるアクアウオークのSCに繋がる歩道橋などを見るためだから良かったが、それにしても、この時点で、会場の場所を勘違いしていた。線路の南側に会場はあるのだから、南側のタクシー溜まりで初めから乗れば良かったのである。
タクシーは線路沿いの裏道を巧みに走るが、まったくの無言。820円だったかの料金を支払って「つり銭はいいよ」というと現金なもので、トランクからキャリーバッグを出してにこやかに話してくれた。「現金は元気になる!」これが景気浮揚に一役・・・ならないかぁ・・・しかしこれがマクロ経済とミクロ経済をつなぐ、景気の気であることも間違いない。
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講演時間にはまだ十分余裕があるので、会場の「情報工房」の展示室にあった月刊雑誌の中に節税の部分を読み、最後の情報仕入れとし、30分前に会場に入る。
5階の会場は、昨年の2月だったかに税理士会の大垣支部での講演に使った大ホールであった。しかし会場は少々暗かった。
1時から5時までの4時間の「不動産登記に関する税務」と題した講演で、私にとっては初めてのテーマである。一橋大学図書館で資料を収集したのも、この為だったし、税務関係のパンフレットを無料で集めるために税務署を奔走したのも、この為だった。
しかし、結果的に、最も参考になる資料は手元に全てあり、それを探し得たことが、良きレジュメを作ることが出来た結果となった。
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それでも、私は満足はしていない。慣れないテーマであることで、まだ講演手法が固まっていない。それは如何にすれば分かり易く伝えられるかの技法でもある。
特に聴衆がいつもと異なり司法書士の先生方であることで、民法の法的な部分を省略して話したことが良かったのか不安が残った(後日のアンケートでは懸念と判明したが、自分自身としては未だ納得の行くものではなかった)。
特に刑法と民法との用語の違いに翻弄されそうになったり、税理士との業務の違いを質問者の途中の質問で知ることが出来たことは収穫であった。まだまだ勉強不足である。
さらには、普段の講演で主の内容となる時価の問題が、司法書士業務においてこれ程に関連していることを知ったのは驚きですらあった。そんなことであれば、前日に東京講演していた内容をもっとレジュメに反映させれば良かったと反省した。
端から関係が薄いと信じ込んでいたので、途中で質問のあった際には、口頭で答えたものの、これは難問であるからレジュメに表現すべき、あるいは、書籍を用いる部分であったろうと考える。
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5時に終えて会長の車で岐阜の懇親会場までお話しながら向かう。講演の中で話し漏れた部分に気が付き、MLで流してもらうことにして、(翌日にはその原稿をお送りした。)研究会での研修会の招待の問題についてもお話した。
懇親会は金華山の麓近くにある瀟洒な洋館、「桂翠館」で8人ほどで開催された。素敵な感じに気に入った。研修部長さんが、講演の感想を言ってくれたのが嬉しかった。
昨日の最大時間講演に続く講演で疲れは最高潮ということもあって、セーブして飲む。早めにお開きして頂き、タクシーを手配してもらって岐路に就く。
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入浴後に『君達に明日はない』の第四話「旧友」は優秀なバンカーを友情からリストラする話でとても役立った。
帰宅後に読んだ日経朝刊の特集で面白かったのが、『スピーチ任されても平気?』で今日の講演前に読んでおくともっと良かったろうが・・・それでもまあ何とか、この方向で出来たかと思った。
「最も大切だと思うことは?」の問いに対して34%は「堂々とした話し方や振る舞い」、28%が「興味深いテーマや内容」、16%が「適切な長さ」をあげていた。
逆に「下手なスピーチ」に最もありがちと思うのは?との問いに対しては、26%が「話が長過ぎる」、21%が「テーマや内容がつまらない」、19%が「早口で振る舞いに落ち着きがない」と続いた。
先述した講演の反省で悶々として中々寝付けずにいた。この様な時に役立つのは「時薬」と「感謝」と「愛情」と「慰め」と「音楽」と「美術」と「映画」であることをつくづく思う。