上海2日目は、7時と早目の出発で8時過ぎから万博会場の1号入口に小一時間並ぶ。屋根つきの入場口の天井にはミスト発生装置があり、暑さを和らげる。
セキュリティ要員が開門前に始皇帝の兵馬俑のように無表情に並び、並んだ我々を睨む。
中国館は予約券が必要で、これすら入手困難でガイドからは「入れません」とバッサリだし、日本館は6時間待ちだから、これまた諦めものである。
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しかし、我々のツアーは実務経営サービスさんが事前に交渉してくれていて、日本産業館が待ち時間なしのVIP入館できた。
映像展示のクオリティは最高だった。この方面の作品を創ってきていた私は、現在も構想中なので参考になった。8社の競演といった感じだが、全体の盛り上がりが不足していて、館全体のプロデュースには、特に展示順については、もっと工夫の余地があると思う。
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続いて、会場内巡回バスで川の対岸にトンネルで渡り、中国館の下で記念撮影し、ここで第一次解散。
私は引き続き現地ガイドの王さんに数人で付いて中国館の麓にある中国地方館の1館をガイドの顔パスで入った後は、完全自由となったので、関西組の3人と共に、地方館を2つほど見てから、出てレストランに向う。
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例によって、レストランは大混雑で、味千(あじせん)ラーメンに並ぶと熊本の店なのに日本語での注文が通じないときた。
それでも、買い物や食事は、品物かメニューを指して「これ」と言えば通じそうなものであるが・・・4人でセットメニューで頼んだので、その中で選択するのがあるのか判らないが、店員が何かを言うのだが、それが判らなくて、最後は「日本語わかる人いないの!」っと、喚くにいたる。
店外の列での注文取りに時間がかかり、数組が先に入店していった。ようやく、注文が通ったのか?入店して混雑する店に入ると、先程注文したメニューではボリュームがあり過ぎることに気付いてきた。
それで、店員が「本当にこれを全部頼むのか?」と親切心で確認していたのかも知れないが、残念ながら我々には判らないから、英語を交えて「オール!」などと叫ぶので店員も根負けしたのか、そのオーダーを受け付けたようだった。
4人掛けのテーブルに着いたところで、もう一度注文を取り消して、全員カツカレーオンリーと飲み物はマンゴージュースにした。やれやれ・・・ヤケクソで変な組み合わせになってしまった。
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愛知万博を真似した部分があるとは聞いていたが、サンデッキみたいなのもそれで、これを渡りながら日本館の外観のみを見て回る。その後、ヨーロッパのパビリオンが並ぶゾーンに行くことになり、巡回バスの前にトイレに行く2人を待っていた。
ところが、待てど暮らせどトイレから戻ってこない。心配して見に行くと既にトイレの行列は解消していて人は居ない・・・はぐれたようだ・・・
ここで2人づつにまた分裂して行動となった。私は大阪のYさんとペアだ。Yさんが大阪館に知人がいるとのことで、別に他に当てがあるわけでなく、どの道、全てを見るには3~4日は掛かるなか、どこでも良いので、そこに行くことに決まった。
対岸に戻るのは、今度は地下鉄で向うことになった。会場内は地下鉄は無料である。
朝に来た日本産業館前からバス乗って終点で降り、大阪館を探り当てて、キュービックの映像展示を見た。水都大阪を謳い上げたもので、大阪の高層ビルを映し出すのだが、上海のそれと比較してみすぼらしく見えてしまう。
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大阪館のスタッフに聞いて、Yさんの知人の美女に会いに行くとカレー店の店長をしているというが、よりにもよって今日は非番とのことで、店員の方の携帯で会話して終わり・・・
Yさんはつきあってくれた私にビールやアイスクリームをご馳走してくれた。これが日本のビールだったので、昨日の中国の薄いビールに比べて格段に美味しかった。
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4時の集合時間に余裕をもって戻り、全員時間を守って集合した。
先程、離れ離れになった2人とも、それぞれの話で盛り上がる。そんなに混雑していないのに、お互いに僅かの認識や視線の相違で互いに発見できず、すれ違い、離れ離れになった経緯を話し合い、互いに「え~つ?そうだったの~」と首をひねりあった。
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岐路の途中では、例によって観光客が立ち寄るお茶の店に行き、お茶の種類の解説を聞く。これが巧妙な手口(商法?)でもあり、他でもよく見られる。
問題はその後の押し付け販売のように一人一人に取り付いて半ば強引に購入を迫る販売方法で大嫌いな商法である。
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逃げるように店内の移動をしていて、気付いた可笑しなことがあった。先程の説明で聞いた商品よりも包装の美しいものが同じ値段(380元)になっていたので、しつこい彼女に聞いてみると少し量が少ないとの日本語であった。
ここで私は現金の残高についてレートを勘違いしていたので、「そうか・・・」と購入を検討し始めた。「5つ買うと1個サービス」と彼女のいつものトークに押されて、乗るのことにしてレジに行く。
財布代わりのビニール袋の中を見ると、何と400元余りしかない!「御免御免、お金なかったワ!1つだけにする」というと敵もさるもの「クレジットないか?」と迫る。
こんな時のためにクレジットカードは役立つのだが、私の考えは逆だ。こんな時にクレジットで思わぬ買い物をしないように、ホテルにカードは置いてきているのだ。事実は強いもので、持っていないのだから演技でもない。
「カードはもっていない」と言うと、さらに敵もさる者で「友達はいないか?」つまり友達に借りろというのである。ツアー同行者は居ても借金できる関係ではないし、既に皆バスに乗っているので「いない」と正直に言う。
敵もようやく諦めて私は1個のみ買って帰る。その後、レートの勘違いを知って380元は5,000円ほどするわけだから、5つも買えば2万5,000円のお茶の買い物となることになってしまうことになりかけたわけだ。
とても予算以外の出費になるところを、支払手段を持ち合わせていない作戦・・・これが「パラパラめくって比べる会計」でも後半の解説でも述べた方法で見事にリスクを回避できたのであった。
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ちなみに、ツアーの同行の方が「貴重品はどうされてます?」とチェックイン初日の懇親会で聞かれたので、私はこう答えた。
「ホテルの部屋の貴重品の金庫は、皆に聞くと、鍵がないとか、鍵が壊れているとかだが、私の部屋には金庫すらない。『フロントに預けて下さいと書かれている』がそれが一番怖いかも知れない。そこでフロントには3泊の間、一切掃除もアメニティの交換も不要だから部屋に入らないようにして下さい。ドアノブには『ドーントディスターブ(起こさないで)』の札を掛けておくから」と伝えておいて、外からの窓掃除でも見えないように、カーテンも締め切って、財布などの貴重品は部屋に置いてきました。」
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夕食はホテルでないレストランで100元で中華のフルコースで全員でバスで岐路に立ち寄る。「アルコールは全て払うから」と太っ腹の中井社長の頼もしさ!そのためか、昨夜のホテルの中華フルコースよりは美味しかった~。
ホテルに戻る途中に、上海一の繁栄を誇る浦東地区をバスの中から夜景を眺めるツアーとなった。上海と言えば、黄浦江(川)沿いに広がる金融街はかつて疎開と呼ばれたエリアである。
川の対岸は、あの独特の丸い玉2つの宇宙船のようなTVタワーをはじめ、森ビルの上海環球金融中心展望台などの摩天楼が聳える。その中でも、個人的にとりわけ感じいったのは、それらに続くマンション群であった。
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ホテルに戻ってから、中井社長の計らいでナイトクラブ(?)コースが番外で組まれて、参加する。社長もご案内しなければならないので大変だ。ご苦労様。そしてありがとう(?)。
日本人がよく行くお店で、海外ではよくあるパターンである。ここで現地の“縁を結ぶ”人もあるらしい・・・。他愛無いお話やカラオケというのは日本国内でも無くは無い。まあ、外国ならではのは、25のパターンからチョイスしてというのだろうか?(まあ、知らないのは私だけだろうが)
台湾では60パターンだったし、座ってでなく立って見回ったことに比べると、ここはシャイな日本人に受けるのだろう。
久しぶりに、10年ぶりだろうか?十八番を歌う。海外ならでは乗りに心を遊ばせる。3年ほど前には歌えなかったエクスプレスも歌えるように車の中で練習(?)が功を奏して遅れることなく歌詞が回った。
ジェンカスタイルで数十はあるだろうか店内の部屋をつなぐ廊下を練り歩くに至る。驚いたことに、この陣頭指揮を執っているのが私をお相手している女の子であったことだ。売れっ子らしく、時折、他のお客様と掛け持ちするのか姿を消す。だからチップの上乗せは当然なしの査定とする。完全チップ制が彼女らの収入と聞く。
往きはタクシーだったが、帰りは店の怪しげな送迎車にタクシーのような料金を払って皆で帰る(これって違法?)。10時過ぎだったろうか?全員が無事帰ったか確認はしていないが、少なくとも同じ車に同乗した数人はホテルに戻ったようだ。