6時に起床するも、昨夜の疲れが取れていず、まどろむことにし、7時からホテルの朝食を頂く。ここのバイキングは内容場はまんざらでもないのだが、地下二階で窓がないのが気分良くない。食しながら朝刊を読む。
ブログやメールを書きつつ朝ドラを見たり、チェックアウトの準備をする。特に今夜地元で戻って研究会で発表があるので、その打合せもあった。午後からの名古屋での予定のために出版社との面談は時間を繰り上げてもらっていた。
著作権侵害の件で、朝9時過ぎから、この新宿プリンスホテルのラウンジで出版社のお詫びを受け10日発売雑誌等の対策を話す。
この雑誌の執筆に関しても疑惑が広がっているからである。出版社では判らないこともあるので私に確認して欲しいとのことだ。面倒だが仕方がない。
前回の著作権侵害事件の折には、雑誌の方は、2箇月後の誌面で「掲載取消」という最大級の処分をされたことを出版社に伝えた。
今月号のこの特集の執筆者の殆どが、拙著を読んで、私の講演も聞いていて・・・と出版社の担当も話される。くすぐるような言葉を、複雑な気持ちで噛み締めて聞く。
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10時半に終えて、急ぎチェックアウトし、紀伊国屋を覗いてから新宿駅から岐路に就く。11時10分の新幹線に飛び込むようにして乗車した。
車内で、明日が締め切りの新聞原稿を書き上げて送信する。
名古屋に12時半過ぎに到着し、ジュンク堂でチェックしてから、地下鉄に乗ろうとした瞬間、著作権侵害の当事者のかたが、私の不在の事務所に訪問の上お詫びがあったとの連絡を社員から受けた。流石である。
と同時に、高層ビルにある立派な事務所の方が、岐阜の片田舎の1階にみえるというのは、こちらとしても恥ずかしいものである。
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名古屋に戻りH先生の再生と清算税務講演を聞く。上京中に訪問した企業再生支援機構の中小企業版である中小企業再生支援協議会の方が急遽講演者に加わったとの連絡を受けたのは1週間ほど前だったろうか。
丁度、調べなければならないと考えていただけに偶然とはいえ、ジャストタイミングであったが、予想通り、今回の案件に関しては、既に独力でリスケ対応もしているところから、効果の程に疑問を持たざるを得なかった。特に、ディユーデリや経営計画作成に多額の費用が掛かるなど、聞きながら、くだんの社長に期待出来そうもない旨のメールを送る。
むしろ、この挿入された時間分、H先生の有益な講演が窮屈になってしまったのが残念であった。
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1週間ぶりに帰ると娘の後輩の急死で妻は通夜準備でてんやわんや。帰社すると、筆者の方からも詫び状が郵送されていた。ざっと目に通す時間しかない。事務所に一旦戻ったのは今夜の地元研究会での発表のために、レジュメ準備の必要があるからである。そのレジュメを持って走る。
遅れるのは間違いないので、事前に別の発表の先生の方を先にして貰った。遅れて飛び込み、その発表を食事を摂りながら聞く。
私の番になり、先月の司法書士会連合会でのシンポの報告の他、出張中の雑多な話題を提供する。 その中の話題の一つに、今日の日経夕刊の東洋英和女学院学長の村上陽一郎氏の「人間への信頼」があった。
それが現に起こっていることと見事に合致していた。書き出しはこうして始まる。
『組織は人間が造るものである以上、組織内と対外とを問わず、(中略)およそ予想もつかない、常識では考えられないようなことさえ起こる。そのような場合、どうやって問題を終息させるか。(中略)』
そして、ある大学付属病院の安全管理室長であった看護士の方の言葉として『事が起こったとき、誰が、何時(いつ)、どういう言葉で、最初に当事者として対応するか。すべてはそれにかかっている。それによって、結果はともあれ、先生方には全力を尽くして下さったと、感謝されて終わるか、どろどろの裁判闘争にまで行き着くか。初発体勢が、およそ異なった最終結果を導く。』
その点、現在、起きている当事者の方の対応は見事なものである。私も、研究会でも具体的な名前も書名も言うことなく、仲間の先生達にも執筆に際する注意を促す。
私が、辛い気持ちを押して、直接、トップに電話したのも相手先の名誉をまずは考えたからであった。前回もそうだったが、その後の対応が今回と全く異なっていたのは、先の夕刊の記事の通り、結末もまた正反対のものになったのである。
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9時時過ぎに終えて、店に寄ってから帰宅すると、ドッと疲れていた。入浴するもまだ娘と妻は通夜から戻っていない。若い方が亡くなると悲しみも強い。皆が久しぶりに会うから、話題も尽きないのだろう。
共著の先輩にも報告し、私も、片付けもできないまま、麦焼酎をあおって、神経をわざと麻痺させるようにしてクールダウンさせる。お詫びについての返信を書くも、書きなれた文面ではないので、なかなか進まない。
その内、こんなことに時間を費やしていては・・・と気分が滅入ってきたりもする。放置しておいても良いだろうが、そうも行かず・・・。しかし、書かなければならないお礼状すら、放置してあるのに・・・と、山積する仕事の間で気持ちが揺れる。
知らない間に意識を失っていて気が付けば午前1時過ぎだった。出張期間中とその前後は、物理的にも精神的にも朝3時56分の起床は無理になる。そんな時には無理をしない。