明日から大学の後期講義が始まるのでレジュメを作成しなければならない。
日曜だが4時50分起床すると、加害者からの場所の指定が届いていた。丸の内のフォーシーズンズの7階ラウンジだという。会談席としては合格点だろう。
講演の請求書作成をする。7日提出期限をすっかり遅れている国勢調査表の書き残した住宅の面積を契約書を探し出してきて記入する。
『カンブリア宮殿』では90分スペシャルでワールドカップサッカーで代表監督を務めた岡田氏がゲストで、酷評から大絶賛に変化した世の中にあって、リーダーとしてどのように対応したかを知って頭が下がった。
大学のレジュメを完成させ、家族との昼食の後、『仕事術』ではモバゲーの女性社長のコンサルタントと経営者の違いを痛感する話に頷く。
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1時に再び東京に向う。新幹線の中で亡くなられた先生の事業承継対策と、著作権侵害事件対策とを同時に相互に交錯しながら考える。
予定より1本早い列車に乗れたので、東京駅の待合室でメールを書いて過ごし、定刻の4時にフォーシーズンズホテルのラウンジに到着する。以前に泊まった時の夜のイメージとは異なり、昼の陽射しが間接的であった。それでもスタンリーキューブリックの世界を連想する非日常世界のラウンジである。
会談は30分余りではあったが、昨夜書いた予想の通りとなり「償い」の内容を「相談」するのみであった。このまま、行くと前回同様民事事件に発展するだろうと思った。そうしても構わないが、既に償いをされた上司の方に累が及ぶことになろう。
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有楽町を通って日比谷から都営三田線を30分掛けて、初めての領域に進む。「蓮根」は「れんこん」と書いて「はすね」と呼ぶ。確かにレンコンはハスの根に違いない。
降りてタクシー数分で斎場に到着する。受付すると遺族のご子息が駆けつけてくれて2回の休憩所で半時余り待つ。
6時からの通夜式は焼香を済ませるとそのまま退場して休憩所でおトキを頂く。座ると隣に座ろうとした方が私の名前を呼ぶので驚いた。それは隣に亡くなられた先生の一番の関与先の社長であった。
暫しお話して、向い側のテーブルでは見知った顔を見出したので挨拶に伺った。聞けばその方のセミナーの受講直後に倒れられて救急車であったとのことと聞く。
また、向え側の席の方から「失礼ですがどのような関係の方でしょうか?」と声を掛けられて、その方が事務員の方のお兄様であったのだが、ここでもまたお話をし・・・
帰るためにタクシーを捜しているところに、後ろからまた呼ばれたので振り向けば、その事務員の方であった。ほとんど電話番程度のことしかなさっていないというものの、私が顧問であることを知っていてくれて、連絡が取れたことが判明した。
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再び、タクシー、都営三田線と戻り、東京駅で、1本早い新幹線に変更した。新幹線の中で、ふと、亡くなった先生にメールをする気になった。以下、そのメールだが、実際に書き上げたのは翌日になってからだった。
しかし書いていて、恐ろしい偶然に気付くことになった。
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天国の**先生に何故だかメールなら届く気がして・・・
**先生・・・
何か、こうしてメールを書いていると不思議です。
まだ、お話できる気がしてしまいまうのです。
手紙と異なって,、それは電波だから・・・
宇宙に洩れて、天国にさえ届いてしまう
そんな気がしてしまうのでしょうか?
昨夜のお通夜の帰りの新幹線で、ふと気がついたこと。
それは恐ろしいほどの偶然でした。
**先生が倒れられた夜、私は大阪で講演をしていました。
これまで、それこそ何百回も講演をしたことでしょうか・・・
大学や大学院での講義も合わせればもっとでしょう。
それでも、講義中に病気になったことはありませんでしたが
13日の夜は大阪で、まさに講演中に腹痛に襲われ
脂汗が出て、暫し中断しました。
それは、生まれて初めてのことでした。
トイレにいったり、主催者が手配してくれた正露丸を飲んだりして、
兎にも角にも残りの講演を終えて・・・・事なきを得ました。
「今日は、昼に食べた何かが当たったのかな~」などと
引きつった青い顔で、照れ隠しのように話しておりました。
そのことを、その偶然を、お通夜の帰りの新幹線の中で気が付いた時、
「嗚呼!あの時、**先生が東京から私を『助けて!』と
叫ぶように私を呼んでいらっしゃったのでは・・」と
思わずにはいられませんでした。
そして大阪の講演が終わると、まるで嘘のように腹痛は引き・・・
主催者が心配する中、懇親会に招かれて行きました。
講演後にはビールが常でした。喉も体も熱くなるからです。しかし
この夜はビールの後、何故だか「焼酎のお湯割り」でした。
13日の大阪の夜は、暑かったのに・・・
「焼酎のお湯割り」・・・忘れもしません。
税理士試験の受験科目に、非常に珍し「酒税」の科目を選んだ
**先生は、その美味さと共に、飲み方までも伝授して頂けました。
「勉強すると税金の割合が多いことに驚いて酒が不味くなりませんか?」
との私の問いに、**先生は笑って応えてくれましたね。
「あっハハ!それどころか、原料の違いが税率に影響することから
製法が分かって、何故美味いのかがよく分かって、むしろ美味しくなる。」と
教えて頂けましたね。私にとっては驚きでした。
だから、初めての出会い以後、毎月、仕事の話を終えてからの懇親では
必ず、二人でビール・芋焼酎のお湯割りのコースでしたネ。
あの日の講演の後、何故だか「お湯割り」を飲んだのも、今となっては
とても、偶然とは思えないことのように思えてきました。
今日は、**先生のお別れの日。
どんなにか無念だったことでしょうか・・・
せめてもお通夜に参列できたこと、日程をつけて頂けて良かったです。私は
いつも**先生からの質問に答えていたメールをもって告別の儀に参列させて頂きます。
お通夜の席では、立派なご子息と初めてお会いしました。
ご家族のこと、そう言えば、何も知らずに、仕事のことばかりの話をしてましたので
死去ふれのお電話を頂いた折には二重の驚きと共に
しっかりとした口調に、大丈夫だと信じることができました。
焼香の後の、おときの席にて、**先生が一番大切にしていらっしゃった
お客様である、***さんの**社長から、お声を掛けて頂き
隣席の縁を得て、互いに驚きを語り合いました。
つい最近、**先生が****さんの税務調査で
永年の問題を解決できたとの手柄話を、丁度、先月お会いしたお伺いしましたね。
そのお話を、昨夜牛場社長と交わしていましたよ。
**社長の相続税対策に奔走して、時には毎日数通のメールを交換したのは、
今年の税制改正の4月1日を巡る攻防でしたね。
**先生と名古屋で打合せしたり、最後には私が**社長と面談したり、
本当に凄い日々でした。私は、まだ発表されていない政令の情報収集のために
上京して情報を仕入れて、**社長と**先生にお伝えできたこと
つくづく良かった~~と思いました。
1億もの大金を、あの数日に往復させて、**社長のリスクを避けられたこと
木島先生との二人三脚が効を奏した快挙でしたね。
**社長の相続対策は、こうして一所懸命準備したのに・・・
二人で飲みながら話した時も、**先生は仰ってみえましたね。
「**社長と余り年齢が変わらないし、むしろ私のほうが天国に近いから」と
準備しなければならないなという意味のことを冗談ぽくお話になってみえました。
それが、現実になってしまうとは、未だに信じられない気持ちにございます。
天国には税金がなくて寂しいかもしれません。
でも、焼酎はあるはず(?)、私が行った時に、また天国での飲み方を
是非教えてやって下さい。
今日が、大学の後期授業の最初の日で、丁度、12時前後が講義中で
最後のお別れが直接できませんでした。でも、却って、昨夜からずっと書き綴った
メールでじっくりとお話できた・・・そんな自己満足ですがお許し下さい。
ご冥福をお祈り申し上げます。
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その他にも、著作権侵害の件は、共著の先輩に報告メールを書き、帰宅すると9時ごろで、上記のメールを書き綴りながら、クールダウンをした。