1月17日の大雪で休講となった大学の補講で、今期最終講義が入ってしまったので、改定作業と自社の確定申告と大きく3つが重なってしまった。
長寿企業は何故、自己資本比率が低いのか?
往きは、最終講義の準備を電車の中でし、講義では「姻族関係終了の届け」の知識をお話して皆に驚かれた。
今朝の日経の記事に勇気付けられるものがあった。東大の松井彰彦教授の「ゼミナール 集中講義 市場を考える34回の『自己資本比率』」である。教授の伯父は囲碁の棋士で莫大な借金を抱えた途端に強くなり、タイトルと取り始めたとき、ライバルにこう言ったという「火の車に乗っているから強い」。
中小企業アナリストの南洋太郎氏の記事を示しながら、「日本では長寿企業ほど財務体質が”悪い”という観察から始まる。(中略)教科書では高いほうがよいとされるが、長寿企業ほどその比率(自己資本比率)が低いとの結果が出たという。さらに低い方が良いとされる固定比率(固定資産÷自己資本)に至っては、100年以上続く長寿企業の固定比率は217%と、全社平均の147%を大幅に上回っていた。通説では、長寿企業は長年の利益蓄積で自己資本は厚く、また環境変化に柔軟適応するため設備投資など資金の固定化に慎重とされる。だか実際は長寿企業ほど設備投資等が「過大」という姿が浮かび上がった。世界最大の老舗国家日本。その老舗もつねに最先端を走らなければ市場から取り残されてしまう。その緊張感をつねに持ち続ける姿勢が固定比率に反映される。老舗の信用をバックに積極的に借り入れ、設備投資を行い、次の一手を狙う。」
「通説」ほど怖いものはない。常識という名の非常識にはまっていることが多い。このことは拙著『パラパラめくって比べる会計』の中でも書いている。要はバランスなのだが、そのバランスは決してバランスシートを示さない。バランスシート上では時間は止まっているのに対して、現実の企業は、変化の時間軸の中に存在する。未来を見据えて、積極的にアンバランスにしてゆかねばならないのだ。
この自説に応援を得た気分で勇気を得られたし、現実の我が経営においても、もう少し借金をしてゆく時期かとも考えた次第だ。
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講義後の移動では、4訂版の企画を高め、先輩の事務所へ行って先週の金曜から延期して貰った打合せをする。
延期する中で考えに考えた企画を話して、了解を得た。早速、出版社に方向性を伝える。だるま食堂で夕食を頂きながら前後で、先輩の原稿に関する質問をして「序章」の企画をさらに進める。
方向性が定まると、後はひたすら執筆を具体化させなければならない。それは同時に、自社の決算申告業務を棚に上げて執筆に取り掛かることになる。
後、1週間の中で両立するためには、どうするか煩悶する。自社の申告を概算でして更正の請求にするか、修正申告にするか?昨年のように期限後申告で延滞税は避けたい・・・
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先輩は、この場で一緒に執筆に携わりたかったが、私は、上記を決したからには、相当の覚悟で執筆に邁進しなければならないので、気持ちを切り替えるためにも明朝の早起きが欠かせない。そのためには早く帰って就寝することと判断し、8時半に岐路に就く。
地下鉄とJRの中でも、「序章」の構想を練る。9時40分に帰宅し入浴し11時前に就寝する。