4時10分起床で早速『視点・論点』の群馬大学大学院教授片田敏孝による『命を守る防災』を鑑賞し、「見える化した故の錯覚」と私は名付けた防災上の思い込みの怖さを気付かされた。
「光電話接続」後、やっと「ひかりTV」接続へ。また奮闘。
これは全ての経営にも人生にも言えると考えるに至った。予算的には対応できないそれを超える「最悪をも認識だけはしておく」ことの重要性はここでも活かされるべきことを教えている。
片田教授は、釜石市防災・危機管理アドバイザーで、災害情報・住民非難に関する研究をされている。
重要な解説部分は、「防災における想定に縛られ過ぎていた」という。そして、「それ(想定)が原因となって、いつしか、想定以上の津波が起こらないと考えるようになったり、想定そのものの津波が起こると錯覚して防災に取り組んでいたのではないでしょうか。そして、このような錯覚は、目の前に存在する大きな防潮堤や防波堤が、あたかも全ての災害を防いでくれると過信を招いてしまったと私は考えます。」
「防災における“想定”は、私たちの心の津波の規模を固定化してしまい、それを超えるものがある得るのだという、考えてみれば当たり前の事実を忘れさせてしまうように作用したと思います。」
「このような、防災における想定は、ハザードマップにも反映されました。自分の暮らす地域を襲う津波の“イメージ”が具体的に地図に書き示されることによって、あたかもそこに示された津波が、その浸水範囲のみが危険で、その外は安全と錯覚してしまったことが被害を拡大してしまった面も否定できません。現に、ハザードマップ上の安全な地域で犠牲になられた方が少なくありません。」
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私はここに「見える化」した故に起こるイメージの残像が却って災いを招いたことに注目したい。同様なことは、犯人探しのモンタージュ写真でも起こる。リアルであり過ぎるため、それに固定化され、想像力が働かなくなる。だから最近では似顔絵に戻っているのはご承知の通りである。
今日の日経朝刊の社会面では、同じく釜石の鵜住居(うすまい)地区では、4億円で昨年造ったばかりの防災拠点が津波に直撃されて、安全と信じて集まった100名以上の内、50人以上が死亡し、多くが消息不明となっていると報じていた。
ついでながら、記事では言及していなかったが、ここには、言葉(名称)の問題もあると私は考えている。震災直前の訓練でも避難先に指定されていたため、住民は「津波のときはセンターに避難すれば安全だと思っていた。」と話す。私も、次の文字を読むとそう思ってしまうと考えた。つまり、次の2つの名称のうち、どちらが安全と思えるだろうか・・・「一時避難所」と「拠点避難所」の2つである。
つまり、記事はその疑問を解くかのように・・・『市は、センターを地震後真っ先に避難する「一時避難所」ではなく、津波が落ち着いた後に避難する「拠点避難所」に指定。結果的にセンターに住民が避難する想定外の事態が生じた。釜石市は「津波のときはより高台の一時避難所に避難するよう指導してきたが、住民への周知の不十分さは否めない」としている。』とある。
ここにも想定外の言葉が虚しく述べられるが、それはさて置き、「一時」と「拠点」のイメージは、私には、病院の例もあるためか、地域拠点病院などから考えて、その地域で最も・・・高度(安全)との大学病院のイメージが立ち、それに比べ、一時は地元の医院のように受け取ると思う。
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話を戻すと、片田教授の釜石の中学・小学校での教育指導はその意味で重要だった。「ハザードマップはシナリオに過ぎない。」あくまで、よく起こり得るであろう“通常”の災害での危険地図であって、現実には、通常ではないこともあるから、それをも超える災害に、設備的には対応できなくても、考えておかなければならないと言う。
丁度、ニュースでセコムのデータバックアップセンターの報道もしていたが、とても零細企業では依頼できないかもしれないし、仮に依頼していても、防波堤に過ぎないから、それをも超える“想定外”の事態・・・例えば戦争が、起こりうるかもしれない。
昨日の日経新聞の「大機小機」にも『多くの専門家は今回の大震災や原子力発電所の事故について「想定外」を繰り返しているが、これほどむなしく響く言葉はない。どんなに明るい照明で照らしても一寸先は闇であり、あらゆる知恵を動員しても未来は不確実である。その意味で「想定外」は常に「想定内」である。』とあった。
おお!と思うが、その後「現在において最善を尽くすことが大切」だと述べて、総理の尽くすべき最善を述べていたが、一般におけるそれは判らずじまいだった。しかし、今朝、それ、つまり「現在における最善」を具体的に示してくれた。
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片田教授と学校の教育を受けた釜石東中学生たちはどう行動したかだ。それが「現在における最善」をまさしく示してくれていたと涙すら禁じえない。ちなみに、この中学校は、先の日経の記事のセンターと同じ、鵜住居地区にあるのだ。
ハザードマップはシナリオに過ぎず、それを超える津波は起こり得るのだということを・・・「繰返し繰返し教えてきました。そして今回の津波において釜石東中学校の生徒達は、地震の収まる前から隣接する鵜住居小学校の児童の手を引き避難を開始してくれました。
そして事前に決めていた最初の避難先に皆が到達した後も、遠方の津波の水しぶきや脇の崖が崩れ掛けているのを見て、その地が十分に安全ではないかも知れないと判断して、次なる高台へ小学生や近隣の保育園の園児達を誘導して全員の命を守り切ってくれました。」
「ハザードマップ上は浸水しないとされていた彼らの学校は、3階に自動車が飛び込むほどの津波に襲われてしまいました。
そして、最初に避難した場所も3mの津波に襲われました。このような子供達の判断がなかったら多くの命が奪われることになっていたと思います。」
「釜石の子供達は想定に縛られること無く、例え自分達の学校が浸水予定地域の外にあっても、より安全な場所を目指したことにより全員の命を守り抜いてくれました。
この子供達に学ぶべきは、“想定が絶対ではない”ということを理解し、その場その場で自分で出来うる最大限の努力をした事です。
“想定に縛れない防”。その都度、自分の出来うる最大限の行動を採る主体的な防災が命を守る防災だと思います。」
「想定外は想定内」を、より具体的に、子供でも実践し得たという行動の結果は、経営者が学べないはずがない事を如実に示している。まして、一国の首相なら・・・。
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昨夜見かけで就寝した『ガイヤの夜明け』の震災特集とWBSでの日産のゴーン社長の復興に掛ける意欲と目標のインタビューを聞き、先述した、災害のためのセコムのデータバックアップセンターやテレワークによる災害時における業務継続の成功例を鑑賞しつつ、先の「防災上の想定」を咀嚼していた。
続いて、あるメールを探していた。「覚悟」を求めるメールであったが、中々見つからない。何故、それを探そうとしてかと言うと・・・昨日のお客様への気持ちがまさにそれと同じだったからである。
クライアントの気持ちは判る。しかし、それを達成するには、全くの他力では困るのである。それは全ての経営者にも言えることである。結局、最後にやるのは本人でしかない。その覚悟がない内は、色々なアドバイスも虚しい。
自分がいい子になっていては駄目だ。火中の栗を拾い矢面に立つ覚悟があれば手助けは出来る。特に今回のような、こちらも泥を被ることになるかもしれない究極の策を授ける時は・・・
その時に浮かんだのが、先日、何気ない気持ちで読んだ、誰のメールか判らない「覚悟」を迫るメールだった。
確か・・・「いい方法があったら教えてください」とある方が訪ねて見えて、それに対するあるコンサルの返事が書かれてあったのだった。厳しい言葉だった。「聞いたら必ずやるのかね?」「聞いてから・・・それが出来そうならやる?程度のことでは駄目だ」と言うようなことが書かれてあったと記憶するが、その時は、厳しいな~と思いつつも心に残っていた。
しかし、昨日の面談を通じて思ったのは、そのコンサルの気持ちだったから、探したのだった。けれども「覚悟」の文字でも検索してみたが、とうとう見つからなかった。
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昨年12月下旬に契約の一連の「NTT西日本の光電話」関係の最初の工事であるインターネット接続変更が2月17日で、その前後の家族との打合せや業者との調整やらが、切り替え工事日の朝に雨漏り事故や確定申告と清文社の第4版執筆とで錯綜する中何とか終え、その後の手続が放置してあった。
漸く、一段落してきたこともあって、光TVの接続をすることにした。今度は自前でやらなければならない。
実は、機材は正月早々に届いていた。「何だこれは?」「忙しくてやってられるかいな!」と思っていると・・・矢継ぎ早に次から次へと重要そうな書類が送られてくる。それでもこちらは執筆で追われているから放置し続けた。
「2月18日の光インターネットの工事が済まない限りはどの道つながらないだろう」と放置しておいて、それは事実であったから仕方がない。
文句を言うとすれば、昨年末に契約して工事が2ヵ月後だから、大幅な割引やそれに伴うセット契約の複雑な関係が失念されつつあって、「どうだったっけ?」となっていたにも拘わらず、先の光TVの機材や契約書がドンドン届くのでストレスになったことである。
地デジ対応で工事が遅れている中、書類や出来る準備は事前に機械的にドンドン進むのでやむを得ないことであろうが、恐らくこのストレスはNTTやヤマダ電機には理解されていないだろう。
現に、2月18日の光インターネットの接続工事の折にも、「事前に郵送してある書類の中にIDやパスワードが印刷されていますので・・・見せて下さい」と言われて、何やらドンドン届いた書類からそれを探すのに苦労した。
大切だと思うから保存しておくのだが、そう思うからこそ、仕舞い過ぎ、2ヶ月近くの期間が経つとどこに仕舞ったのか失念してしまうのである。
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だから、書類を見直し読み直し“復習”しなければならないところから始まる。「どんな契約だったのか?」と掘り起こして行くと、光TVは2ヶ月無料で、その後解約して貰えば一切料金は掛からないとは聞いていたので、2月18日